桜のような僕の恋人 感想
恋とは何かについて考えさせられた。
恋をしてる時、人は誰しも恋する人の前では、最高の自分を見せたい(外見)と思うと同時に、最高の自分になることができる(内面)と思っていて、この映画では美咲の中のそのギャップが辛かった。
美咲は綺麗だと言ってくれた大好きな晴人に醜い姿を見せたくなかった。だからこそ晴人を拒んだ。でもそのせいで、美咲の心はどんどん擦れていって、心も老け込んでいってしまっていた。
しかし、晴人が会いに来てくれるようになったあと、最高の自分を見せるために化粧をする美咲。そして笑顔が増えてクスクス笑う場面も増え、心がどんどん若返っていく美咲。
ただその一方で場面が進むたびに美咲の老化が進み醜くなっているのを美咲の周囲の器具から感じ取れるのが心にきた。
だからこそ美咲には「どんな姿でも大好きだ」という言葉が刺さったんだと思う。
醜い姿でも晴人なら綺麗だと言ってくれるのではないかと思ったのではないか。
ちなみに私はたとえどんな姿でも綺麗だ、美しいと言って、お姫様扱いしてくれるケンティーが大好きです。
そして、最後のシーン。
晴人が美咲に気づくことが出来なかったシーン。
美咲の心には
「気づいてほしくなかった」(こんな醜い姿を見せたくない、最高の自分を見せたい)と
「気づいて欲しかった」(こんな私でも認めて受け入れてくれるって信じてた、美咲として恋する晴人に会いたかった)
の2つの気持ちがどちらもあったと思う。
ただやっぱどちらかというと、外見も内面も受け入れてもらえる後者の気持ちが強いのは当たり前で。だからこそ、晴人は一生後悔することになって。
その後悔もわかるからこそ辛かった。
晴人の頭にはずっとあの25歳の綺麗な美咲しかいなくて。
美咲の最後の手紙ももちろん罪悪感を消すためもあるだろうけど、それならその勘違いのままそのままずっと美しい状態で死んでしまいたかったんだろうなと。
それでも最後に晴人は気づいてしまって。それが美咲にとっていいことか悪いことかはわからないけど、きっと晴人はそんな美咲を受け入れたんだろうなあと思います。
どんどん若返るのにどんどん醜く老けていく身体。美咲に感情移入しすぎて辛かった。